I dreamed a dream
2013年 08月 10日
先日、テレビに華原朋美が出ていました。
ヒットを飛ばしていた頃の彼女は、私の中で、アイドルっぽいイメージで、歌も上手いんだか下手なんだかわからない感じで、しかも、ちょっと痛い人だなとも思っていました。
テレビから姿を消した後も、時たま見聞きするゴシップに、赤の他人ながらちょっとした同情心が湧いていました。
そんな彼女が、「レ・ミゼラブル」の劇中歌で復帰するというニュースを聞いた時も、なんかちょっと痛いイメージを勝手に感じていました。
映画で、アン・ハサウェイが歌ってすごかった(私は映画観てない)と評判のあの歌を?ともちゃんが?
逆効果にならないかしら…
日本人て、ちょっと歌が歌えると、「歌姫」とか言われて、それってどうなの?ってところがあって…
ちょっと前に、ホイットニー・ヒューストンの歌ですごい感動を与える歌姫、みたいなのをテレビで観た時、正直、「ホイットニーってやっぱ凄かったんだな」と。
いや、上手いは上手いんだろうけど、それで感動するとかしないとかは、またちょっと別次元の話しだし、上手いかどうかで言っても、ぜんっぜんホイットニーの方が上手いし。
自分の歌になってないというか、レベルがチゲー!と、何故だか腹が立った記憶がよみがえったのです。
その歌手の人は全然頑張ってるし、声量もあるし、ホントに上手いし、いいんだけど、無駄に持ち上げるメディアに腹が立ったのかも知れません。
ああ、今回も、そんな感じで、痛い気分を味わうのかしら…と思いながらも、なんとなくテレビを観てしまったわけなんですが…
昔のヒット曲のメドレーってのを最初に聞いた時に「あーともちゃん頑張ったんだなー」って気分になりました。
声質ってのは変わらないけど、音程が安定してて、トレーニングしたんだなーということが良くわかりました。
そんなことが透けて見えるってのもナンですが…
そして、新曲、「レ・ミゼラブル」劇中歌のカバー…
見た目も、声も、あの華原朋美だし、ヴォイトレも透けて見えるし、アイドル時代のキラキラもないし、有名プロデューサーの後ろ盾もないし、ゴシップで見聞きしていたちょっと痛いエピソードからイメージしてしまうキャラ…
そんな不器用な女が不器用に歌う「夢やぶれて」!
ああ、魂が歌ってるって、こういうことなんだな…
この人は、歌うために生まれてきたんだな…
そして、テレビの前で、涙を流している自分に驚きました!
なんだかこみ上げるものがあったのです。
挫折を味わった人の凄さ。
底から這い上がって来た人の凄さ。
あきらめない凄さ。
最初から器用に出来る人にはない凄さ。
その他の色々、全てをひっくるめて、なんだかわからない凄さ。
アン・ハサウェイを超えるとか超えないとか、上手いとか下手とか、そういうのとはまた違う、
特別なエネルギー。
華原朋美の小さな身体から、何やら大きな「何か」が発せられていたのです。
そして、泣いていたのは、私だけではなくて、テレビに映し出されたオーディエンスや司会者までも!
ずっと「人の心を動かすものと、そうでないものの違い」というのを考えていました。
これは、きっと統計をとっても見えてこないのかもしれません。
魂とか波動とか、もうそういうレベルなんだと思いました。
いやはや、まさか、華原朋美の歌で泣ける日がくるとは!!
つか、歌聴いて泣けた自分にも驚きました。
今までそんなことなかったなー。
歳とって若干涙腺緩んでるのかもしれません。(てオチか?笑)
写真は、豪徳寺の招き猫。
露出計の壊れてるOLYMPUS-PEN(ハーフカメラ)で。
なんとなく、ライブのオーディエンスっぽかった…
by the_snapshots
| 2013-08-10 11:31
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